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第4章 佐久市地域公共交通体系見直しの基本方針と計画目標
4. 1 佐久市地域公共交通体系見直しの基本方針
公共交通に関する各種調査結果から抽出された課題に対する検討の方向性、課題解決に向けた検 討の視点より、地域公共交通体系見直しの基本方針は以下のとおりとし、具体的な考え方を次頁以 降に示した。
図 4- 1 課題解決に向けた検討の方向性・視点と地域公共交通体系見直しの基本方針 課題解決に向けた検討の方向性
公共交通を必要とする人のために
地域・利用形態に配慮し
利便性を高めるために
公共交通を
もっと利用していただくために
将来にわたり維持していくために 自らの移動手段を持たない人のための運行維持
非免許保有者のための運行維持 顕在需要を踏まえた運行等の見直し
移動交通手段の役割分担に配慮した見直し
冬期・雨天に配慮した待合施設などの設置検討
鉄道との乗り継ぎ、バス同士の乗り継ぎ連携
バス同士の乗り継ぎ連携
路線、需要に応じた運行形態、車両規模の検討
地域、地区の需要に応じた運行形態の見直し
需要、集落に対応した運行の検討
利用ニーズに応じた乗降場所等の検討
需要減少に対抗する利用促進の検討 自動車手段から公共交通利用への転換促進 ソフト施策による利用促進に向けた取り組み
収支バランスを考慮した見直し
高齢者に配慮した利用しやすい車両導入等の検討
利用ニーズに応じたダイヤ・ルート等の見直し
課題解決に向けた検討の視点
【佐久市生活交通ネットワーク計画における公共交通体系見直しの基本方針】
Ⅰ. 地域公共交通を必要とする人の移動実態に配慮した交通体系の構築 Ⅱ. 地域の要望や地理的条件などの地域の実情に配慮した交通体系の構築 Ⅲ. 公共交通利用への転換を推進
Ⅰ
地域公共交通を必要とする人の移動実態に配慮した交通体系の構築
佐久市民の免許保有率は約 7 割に達し、交通手段の約 8 割が自ら運転または、送迎という自家用 車での移動が占めている。
一方、公共交通の路線バス、廃止代替バス、市内巡回バス、デマ ンドタクシーは、利用者が減少傾向にあるが、主に高齢者、子ども たちが利用しており、利用者の満足度は 84%と非常に高く、自動車 を自分で運転できない 交通弱者の移動手段 として利用されてい る。
これら、 交通弱者 のうち、本市には、遠距離通学の小中学生を
支援する「小・中学生遠距離通学対策事業」と、市民税非課税世帯等の高齢者及び障がい者が利用 できる「高齢者・障害者外出支援サービス」があり 交通弱者の移動手段 の一端は担っている。
しかし、これらの支援対象に該当しない、 交通弱者 も多く、特に高齢者は、既に総人口の 25. 8% を占めており、今後も高齢化が進むと予想されている。
こうした現状及び将来を見据え本計画では、現在公共交通を利用する人を大切にし、さらに高齢 者や障がい者など交通移動手段を持たない人の通院、買い物等の日常生活行動、高校生の通学に配 慮した交通体系の構築を目指すものとする。
なお、対象者を限定とした「小・中学生遠距離通学対策事業」、「高齢者・障害者外出支援サービ ス」については、必要により一定の改善の検討を行うが特定利用者のための事業であることから本 計画の対象とはしないものとする。
Ⅱ
地域の要望や地理的条件などの地域の実情に配慮した交通体系の構築
佐久市は広い行政区域面積を持ち、地形も河岸段丘や山など起伏に富んでいる。集落も、佐久盆 地に形成される市街地とともに、山裾の沢筋に沿った地域など広く存在し、地域の状況はそれぞれ 異なっている状況である。また、地域により運行する公共交通の形態も異なり、地域による公共交 通利用の運賃格差も生じている。
既に、望月地区ではデマンドタクシーが運行されているが、このように、現在の利用状況、各地 域の地理的状況など地域の実情に配慮した交通体系の構築、また、一方で同じ佐久市民として不公 平感を払拭する運賃格差の是正などが必要である。
このため、本計画では、各地域の住民ニーズや地理的条件などを踏まえ、各地域の住民が使いや すい最適な地域公共交通の構築を目指すものとする。
【例】地理的条件(東西断面地形) 沢筋に形成される集落
道幅
広い 狭い
需要
50
Ⅲ
公共交通利用への転換を推進
一般的に公共交通の検討においては、「現在の公共交通利用者へのサービス向上」並びに「現在利 用していない人の公共交通への利用転換」により公共交通利用を促進していくことが必要である。 公共交通利用への転換の促進は、低炭素社会
※
への対応など環境面からの要請も高い。
しかし、現在のマイカー利用者の自動車依存度は非常に高く、公共交通利用に比べ自由度が高い 自動車から公共交通利用への転換を促すためには、公共交通の環境を整えながら時間をかけて取り 組むことが必要となる。
また、市民アンケートにおいても公共交通利用促進に対しては、「わかりやすい運行ダイヤ、路線 図等の作成・配布」等の周知活動、「ノーマイカーデーの実施」などを通じた公共交通に対する意識 の醸成が重要とされている。
このようなことを勘案し、本計画では、交通移動手段を持たない市民だけでなく、自家用自動車 等の自らの移動手段を持つ市民にとっても利用しやすい公共交通体系を考慮するとともに、わかり やすい時刻表の作成や広報周知活動など、現在公共交通を利用している方も利用していない方もよ り多く公共交通を利用していただけるようなソフト施策の検討を行うものとする。
※ 低炭素社会:経済発展を妨げることなしに、温室効果ガス排出を大幅
削減した社会。ここでは、特に自動車からの排出量削減を指す。
【わかりやすい時刻表の作成・配布】 【主要施設における路線図の設置】 図 4- 2 利用転換に向けたソフト施策の例
Ⅳ
財政負担に配慮した持続可能な体系の構築
市内の公共交通は近年利用者が減少傾向にあり、市が支援を行う廃止代替バス、市内巡回バス、 デマンドタクシーの利用者数は 5 年前に比べ 8 割という状況下にある。また、交通事業者が運行す るバス路線の中にも、利用者が半減した路線なども存在している。
このような状況の中、高齢者をはじめとする交通弱者にとり、公共交通は必要不可欠なインフラ のひとつであり、その維持に努めることが求められている。
4. 2 計画目標
本計画の目標は、公共交通利用者の減少傾向などの現状を十分認識した上で、基本方針に基づき 以下のとおり設定する。
目標1
高齢者、通学者など公共交通を必要とする人にとって使いやすい
公共交通サービスの提供
基本方針Ⅰ∼Ⅲ に基づき、高齢社会の到来、交通 弱者への対応として、現在公共交通を利用する人を 大切にしつつ「地域公共交通を必要とする人」にと っ て 使 いや すい 交 通手 段 とな るよ う 対応 を 図る こ とを優先とした計画とします。
このため、人口構成の変化を考慮しつつ平成 22 年度の利用実績に対し、利用者の増加を目指します。
図 4- 3 バスの利用者年齢別割合
【数値目標】
現 況(平成22年度) 目 標(平成26年度) 1日あたり利用者数
559人
※1
1日あたり利用者数 576人(3%の増加)
※ 1:廃止代替バス、市内巡回バス、デマンドタクシーの平成 22 年度日平均利用者数合計。
※ 2:目標値は、50 歳代以下は現況利用者数の維持とし、60 歳代以上は、バス利用者アンケー
トにおける 60 歳以上の年齢構成比をもとに算定した合計値。
※ 平成 27 年人口は国立社会保障・人口問題研究所(平成 20 年 12 月推計)より
資料:バス利用者アンケート調査結果より
85∼ 80∼84 75∼79 70∼74 65∼69 60∼64 55∼59 50∼54 45∼49 40∼44 35∼39 30∼34 25∼29 20∼24 15∼19 10∼14 5∼9 0∼4
5歳階級別人口(人)
4,314 4,728 5,365 5,063 3,860 4,999 6,167 6,829 6,271 6,184 6,306 7,043 7,297 6,070 5,400 5,323 4,534 4,658 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000
平成22年
3,502 4,090 4,774 5,011 4,113 4,705 4,887 5,901 6,680 6,220 6,109 6,193 6,865 7,057 5,791 4,871 4,549 6,053
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000
平成27年
60 歳代以上人口
33, 282 人
20∼50 歳代人口
47, 659 人
10 歳代以下人口
19, 470 人
60 歳代以上人口
35, 186 人
20∼50 歳代人口
44, 808 人
10 歳代以下人口
17, 377 人
人口の増加に合 わせ利用者の増 加を目指す
現在の利用者数 の維持を目指す 現在の利用者数 の維持を目指す
70歳以上 39.2%
10歳代 25.2%
20歳代 3.7% 10歳未満
4.7%
60歳代 9.8%
50歳代 7.5%
30歳代 3.5% 40歳代
52
目標2
利用者の要望に基づく公共交通サービスの改善
基本方針Ⅰ、Ⅱ に基づき、現在公共交通を利用 している人の要望や不満点の改善を中心とした施 策展開を行い、利用者の増加を図っていきます。
このため、利用者の増加に結び付く、利用者満 足度の向上を目指します。
図 4- 5 バス利用者の満足度
【数値目標】
現 況(平成23年度) 目 標(平成26年度) バス利用者の満足度
84. 0%
バス利用者の満足度 88. 8%(4. 8ポイントの増加)
※ 1:現況はバス利用者アンケート結果より。
※ 2:目標値は、バス利用者アンケート結果における「やや不満、不満」の回答者から、各々
3 割の方が満足という回答に変化することを目標とした値。
目標3
運行効率の改善による持続可能な公共交通の構築
基本方針Ⅳに基づき、運行の効率化による運行負担の軽減も考えながら、将来にわたり持続可能 な公共交通体系を構築します。
このため、運行効率の改善による経費の削減と利用者収入増加による収支割合の維持・増加を目 指します。
【数値目標】
現 況(平成22年度) 目 標(平成26年度) 収支割合 24%
※
現況以上の収支割合
※ 廃止代替バス、市内巡回バス、デマンドタクシーの収支割合。
平成 22 年度実績(運賃等収入 25, 675 千円÷ 運行経費 107, 208 千円=24%) 資料:バス利用者アンケートより
概ね満足 46.0% やや不満
12.6%
満足 38.1% 不満